空に虹を描くまで



祐介の家で練習するってことだよね。

二人がああ言っているからすごい家なんだろうけど、迷惑じゃないんだろうか。

家にみんなで集まって練習するってどういうことだろう。

想像ができない。



みんなで校舎を出ると、太陽の眩しさが目に入り込んできた。

同じ校舎なのに、行きとは違う明るさを感じた。

こんなに晴れてたっけ?

空を見上げて雲ひとつない空に心が温かくなる。


余裕がなかったんだ。

顔も上げることのできないくらい、一点を見つめすぎたんだ。


肩の荷が降りて余裕ができると、見ている景色がここまで変わるなんて。

もちろんまだまだ不安はある。

曲を書き終えたら、次は文化祭でのステージが待っている。


だけど応援してくれる仲間がいる。友達がいる。

清々しい気持ちで校舎を後にした。