空に虹を描くまで



体育委員と図書委員は活動内容が全然違うけど、両方違った面白さがあった。

いざ図書委員になると、体育委員も楽しかったな、なんて後から思う。


それにしても、相手が自分のことを知っていてくれた、というのには驚いた。

それも、自分が知らない相手から。


当時は自分のクラスで精一杯だったんだ、きっと。

だからほかのクラスに目がいかなかった。


高校入って初めての体育祭だったし、要領がよくわかってなかったんだと思う。

それにわたしは一つのことに集中しだすと、他の所にまで意識が回らない。

本当に、これはわたしの悪い癖。


「一つのことに集中するのも大事だけど、周りにも目を向けなさい」ってよく言われる。



「すごい盛り上がってただろ?そっちのクラス」

「まぁ…気合は入ってたかな?」

なんて少し誤魔化して答えたけど、当時わたしのクラスはすごく燃えていた。

同じクラスの体育委員の男子もそういう勝負事になるとやる気に満ち溢れる人で、絶対優勝してやる!って言ってクラスみんなに集合をかけて、放課後みんなで残って練習したりしていた。