「だって必要ないかもしれないでしょ?その時はこのお金で、文化祭終わったときにみんなでお菓子とかジュース買って、パーっとしようよ」
「割り勘したらいいじゃん」
「いいの!じゃあ、お釣りが出たときに返してくれたらいいから」
「俺も返すの忘れるかもよ」
「いいよ。その時は祐介にあげる」
わたしがそう言うと「はあー」とため息をついた。
「ったく、しょうがねえな」
そう言うと優しく微笑んで100円玉を財布にしまった。
祐介のことだ。
きっと忘れることなんてないと思う。
だけどわたしに受け取ってほしくてそう言ったんだろう。
ーーー多分わたしはこのメンバーが大好きなんだろう。
だからきっとみんなの期待に応えたいという気持ちも大きくなっていったんだろうし、一緒にやっていきたいって思えた。
みんなの後ろ姿を眺めながら、心が暖かくなったのを感じた。

