空に虹を描くまで



ふと玄関先を見ていると、見覚えのある姿が見えた。

「もしかして!」

急いで上履きを履き替えて、その人のいる所まで駆けつけた。

後ろ姿だから、見間違いかもしれない。

違ってたらどうしよう、そんな思いが頭を過ぎるけど足は止まらない。

自分でもびっくりするくらい、見つけた瞬間、すぐに行動にでていた。

考えるひまもないくらいに。


「あの!」

追いつく前に少しはなれた場所から叫んだ。

何人かの人が振り返る。

だけどそんな目を気にせず、一直線にその人のところまで向かった。


「え、俺?」

まさか自分のことと思わなかったんだろう。
目を見開いて驚いていた。

「そう!会えないかなーって、あれからずっと探したの」

大きく息をはいて、少し乱れた呼吸を戻そした。