空に虹を描くまで



ただこの時期じゃまだ早すぎるから、教室に残って遊んでいる人もいる。

あまりうるさすぎると集中できない。


それに、知っている人との会話はどうしても耳に入ってきてしまう。

しょうもない雑談さえも。


スポーツの話で盛り上がる男子とか。

わたしにとっては、それはしょうもない話に分類されるわけで…。


とにかく、同じクラスメイトの話が耳に入ってしまうと集中できない。

今は図書室が一番集中できる場所だ。




そういえば、今日ノートを届けてくれた人はどこのクラスだろう?

図書室に向かう途中、同じ学年のクラスが横並んでいて、わたしは首を少し横に向けながら教室の中を軽く探した。

都合よく教室から出てきてくれたりしないかな?
なんて思いながら全クラスを通り過ぎた。

だけど、結局見つけられず少し気を落としながら図書室に入った。