次の日、なんとか曲を書き上げた。
未完成で、サビしか出来上がっていない。
それでも白紙のまま持っていくよりかは断然いいだろう。
気分が乗らないまま家を出た。
どうして夏休みなのに学校に行かなきゃいけないんだろう。
しまいにはそんな考えが至ってしまう。
完全にマイナス思考だ。
なんとか気持ちを切り替えようと、別のことを必死に考えた。
だけど頭と足は比例せず、気がつけば門をくぐり抜けていた。
「はあー…もう、しょうがないよね…」
できあがった楽譜を手に持ち、嫌々由美達のいる部室へ向かった。
部室に近づくにつれ、ドラムのリズミカルな音が聞こえる。
しばらく部屋には入らず、何度も繰り返し練習する様子を部屋の前で聞いていた。
聞いていればいるほど、また一気に不安が押し寄せる。
この曲で本当にいいんだろうか。
乱雑に書かれた楽譜を見つめた。

