空に虹を描くまで



そう呟いても何も変わらず、日は迫ってくる一方。

由美たちの約束の日がついに明日になってしまった。

「だー!やばい」

鍵盤の上に頭を置いた。

不協和音が部屋に鳴り響く。


できる気がしない。


とりあえず明日はイメージだけ持っていけばいいよね。

なんとか開き直ろうとするも、そのイメージすら出来ていない現実に心底嫌になる。


とにかく明日までに何かしらのものは持っていかなくちゃ。

そう決意し頭を起こした。

「佳奈子ー!ご飯よ」

リビングからお母さんの叫ぶ声が聞こえた。

「えー、いま?」

「ご飯冷めちゃうでしょ」

「もー」

いつもタイミングが悪い。

やる気になった時に限って、こうやって呼ぶんだもん。

渋々重い足を動かしてリビングに向かい、いつも自分が座っている定位置に座った。


「勉強はかどってるか?」

お父さんがテレビから目を話し聞いてきた。