空に虹を描くまで



「じゃあ、とりあえず来週も俺たちここにいるから、途中経過でいいから持ってきてよ」

「そうだな。どんな雰囲気になったかでも聞きたいし」

祐介の提案に賛同し海くんが言った。

「どう?来週もこれそう?」

「うん、じゃあ来週とりあえず持ってくるね」

「ありがとー!よろしくね」

そう伝えるとわたしは部室を出た。


帰り道、曲を作るという楽しさが半分、不安が半分、そんな複雑な気持ちを抱えながら来た道早歩きで戻っていた。

上手くいかなかったらどうしよう。

さっきまでの楽しい空間が嘘のように現実に引き戻された。


わたしが曲なんて作れるんだろうか。

どうしてもそんな悪い予感が頭をよぎる。


引き受けてしまった以上、「できませんでした」なんて言えない。


負担をかけたくないとは言ってくれたけど、もうすでにプレッシャーを感じていた。


あの時は少し楽しみも感じていたのに、一人になった途端、不安で押しつぶされそうだ。


なんとか気持ちを切り替え、わたしはバイトに向かった。