由美たちにそう言われ、わたしはバイトの時間まで練習を見ていた。
わたしはやっぱり音楽が好きなんだなーなんてつくづく思う。
この空間にいるのが楽しい。
休憩時間にはよく楽器を触らせてもらう。
一番好きな楽器はドラム。
ピアノを除けばだけど。
バンドの構成上、後ろの方だけど一番大きいし目立つ。
みんなを引っ張っていっている感があってかっこいい。
それに無造作に叩くのも好き。
見よう見まねでリズムを作っていくのがすごく面白くて、胸に響くような大きな音を奏でるのは、ドラムならではの感じがして楽しい。
だけど、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。
「あ、佳奈、時間やばいんじゃない?」
由美に言われて時計を見た。
「ほんとだ、やばっ」
気づくと2時間近くも時間が経っていた。
慌ててかばんを持ち部室から出ようとした。
「あ、曲っていつまでに完成させればいいの?」
「ん〜、いつ頃できそう?」
「全然わかんない」
どれくらいで完成するのか、全く想像できない。
今は夏休みだし、時間を作ろうと思えば多分いくらでも曲作りに専念する時間は作れる。

