「”今”って言うキーワードについて考えたんだけど、青春とかそんな感じになるよな」
「んー、高校生にしかできないパーフォーマンスを見せて欲しいんじゃね?」
海くんのその言葉を聞いて少し考えた。
「ねえ、それ本当に部外者のわたしがやっていいの?」
「いいって。顧問にも許可とったし。本人がいいならいいって」
「あんまり負担にならない程度でね」
由美が付け足した。
「まー、どうしても無理なら適当に俺たちが作るから。あんまプレッシャーとか感じない程度にな」
祐介も優しくフォローしてくれた。
適当にでも作れるのなら、自分たちで作ればいいのに、どうしてわたしに頼むんだろう。
練習に集中したいのかな?
それとも、祐介はああ言ってくれたけど、本当にわたしの作る曲を期待しているのかな?
頭の中には疑問が増える一方だ。
「じゃあ、そろそろ練習に戻りましょーか」
「そうだね。佳奈も見ていくでしょ?なんかアドバイスちょーだい」

