そしたら思ったよりも好評で、ちゃんとした曲にしようってことになった。

たまたま海くんが録音していて、楽譜におこすのは簡単だった。


「誕生日プレゼントってことはこの曲俺にくれるってことだよな?」となり、祐介たちは一つの曲として完成させた。

わたしがやったとはほんとこれだけ。

ちゃんと曲として作ったのは由美たちのバンドメンバーだ。

言いかえると、わたしがサビを提供してそれにあうように曲を構成していったという感じ。

それにあの時は即興で曲を作り、何にも曲の流れとか全く考えていない。

そんなメロディーがたまたまみんなに好評だっただけ。


だけど目の前に必死にお願いをする由美にさすがに拒否することはできなかった。

「曲って、この前みたいにイメージだけ作ればいいの?」

「うん!それだけでも十分だよ」

由美やみんなにせがまれ、わたしは1、2歩後ずさりをした。

だけど由美の目を見ると、どうしても首を横に振ることはできなかった。

「うーん、それなら…」

わたしがそう言うと海くんが割入ってきた。

「まじ!?すっげー助かる!」

「よっしゃー!」

他の二人もわたしの返答を聞いて嬉しそうに言った。

そう言われると悪い気はしない。

「まー、頑張ってみるよ」

この前が偶然上手くできただけかもしれないし、期待に添えることができるかどうかもわからない。

だけど曲を作るということに少し気分がワクワクしていた。