何か話すことはないかって用事を探すけど、見つけられず、日だけがどんどん過ぎていく。

そのままあっという間に終業式が来てしまった。

自分の行動のなさに嫌になってしまう。


そんな中、体育館で終業式を行うため全校生徒が集まった。

体育館で長い間先生の話を聞きながら、きょろきょろと目を動かし陵の姿を探した。

見つけたからといって特に話すこともないけど、なぜか少し安心した。

視線を感じたのか、陵が後ろを振り返り目があった。


びっくりして思わず肩が上がる。

だけどこのまま無視をするのも変だと思い、ひらひらと手を振った。


すると陵は笑顔で手を小さくあげてくれた。

それだけで何か満たされたように嬉しかった。

話せなくても最後に目があってよかったって心から思った。

悔いが残らないといえば嘘になるかもしれないけど、これだけで胸がいっぱいになった。