モグラ女の恋

私とは逆側の席につまらなそうな顔をして座っているのは……



私は何度も瞬きをして確かめたけど、やっぱり彼だ。



綺麗な顔立ちも、お洒落な装いも彼に間違いない。



「マサルくーん。全然楽しそうじゃないよぉ」



「ごめん。コイツ人数合わせに連れて来たんだよね」



西城さんの言葉に彼の隣に座っている男の子が返事をする。



彼の肩に手を乗せながら。



それを嫌がるように振り払う彼。



マサルさんって言うんだ。



あたしは思わずニヤケそうになってしまい席を立った。