モグラ女の恋


仕事をして、クロと遊ぶ、そしてたまに西城さんの誘いに乗る。



私は代わり映えのしない毎日をただ淡々とこなすだけ。



働くことは嫌いじゃないし、クロのことも何時間でも遊んでいられるくらい好き。



でも、こんな生活いつまで続くのだろうとふと考えてしまう自分がいる。



30歳になっても、40歳になっても、私の生活はきっと今と変わらない。



そのことがたまらなく不安になる。



私だって結婚や出産に憧れはある。



恋に落ちた人と家族を作り、生涯を共に歩めたらどんなに幸せだろう……



でも、残念ながら私の場合憧れは憧れのまま終わってしまう。



父も母もいなくなり……



いずれはクロだって……



そうなったら私は一人。



たった一人で生きていかなければいけない。



それが寂しい。



それが悲しい。



“モグラ女”の宿命を呪わずにはいられない。