尚輝の温もりに擦り寄る。



「朱里のギャップがヤバイ。」


「ギャップ?」


「ベッドでは甘えたがり。他の奴にもしてたか?」


「………ノーコメント。尚輝は平気で私の過去を聞けるのね?」



私は絶対に聞きたくないって思うのに。尚輝は平気で聞いてくる。



「俺だけだと言って欲しいからだ。俺だけに甘えるよな?」


「ふふっ、そうだね。」



自然と笑みが浮かぶ。尚輝の背中を抱き締める腕に力を込めて抱きつく。



「温かい……。」


「俺も。」



お湯を張る間、二人で密着して過ごす。



「ほら、朱里、風呂に行くぞ。」


「うん、先に……。」


「運んでやろうか?」


「………いい。先に入ってて。」


「照れるな、今更。」


「………。」



尚輝がベッドから抜け出し、扉を開ける音が聞こえてくる。



「朱里、入って来いよ。」



尚輝が低い声で指示する。仕方なく、疲れた身体をゆっくりと起こす。