私の不機嫌な声が響き渡る。



「お前ら、いい加減にしないとフラれるぞ。」


「…………。」


「結局、尚輝も聡も陽輝も遊び人だったって話だろ。」


「…………。」


「自分の女の前で黒歴史を堂々と語る尚輝に呆れる。聡、陽輝も尚輝の黒歴史を暴露する必要はないだろ。」



賢人の冷静な声が車内を支配していく。


ふと私に疑問が浮かび上がる。



「賢人さんは違うの?」



この3人の友達だし、イケメンで絶対にモテるだろうし、同じように遊び人でも不思議ではない。



「俺は真央一筋。高校では他にも彼女はいたが、コイツら程ではない。」


「一筋?会社で出逢ったんでしょ?」


「いや、俺の一目惚れ。真央が高校生、俺が大学生の頃。」


「…………真央が羨ましい。」



鬼畜そうな賢人だが、真央一筋で真央しか見えてないのが伝わる。


それが真央にも伝わってるから、鬼畜な行動も愛されてる一部と感じられるんだろう。