「松井、頼む。」



副社長の言葉に紙袋からお土産を出し、プロジェクトメンバーに配っていく。



「松井さん、ありがとう。」


「何処に行ったの?」


「副社長と二人で?」



配っていると質問がドンドンと飛んでくる。笑みを見せて対応をしていく。



「二人じゃない。俺も、他にも数人。」


「いいな、楽しかったか?」


「朱里さんの水着姿が見れた。」


「本当か?松井さん、水着とか着るの?」



陽輝がプロジェクトメンバーと話をしているのを聞いていく。


全員に配り終わると席に戻った。隣に座る副社長を見れば、目と目が合った。


残ったお土産を見せる。



「副社長も要ります?」


「………秘書課で配れ。」


「はい。」



紙袋に箱を戻し、土産話に花を咲かせる面々を見つめた。陽輝が愉しそうだ。



「松井、行くぞ。」


「はい。」



副社長の声に会議室を後にした。