プロジェクト全員の進捗を聞いた副社長が口を開いた。


視線が副社長に集まる。



「この忙しい時期に、一週間も休暇を取らせてもらった。ありがとう。」



進捗の話かと思いきや休暇の挨拶?



私も副社長に視線を向け、プロジェクトメンバーを見渡した。


安堵する面々に、どれだけ副社長の言葉に緊張していたのか分かる。



「メインである陽輝も休暇で色々とフォローをして貰ったと思う。ありがとう。」


「いえ、特に問題はありませんでした。」


「そうか。今日からはまた気持ちを入れ替えて取り組んでいく。忙しくなると思うが宜しく頼む。」



副社長が笑みを見せている。見惚れる面々に私も笑みが浮かぶ。



「陽輝、明後日の朝一までに松井へ。」


「はい。」


「忙しければ、進捗は口頭でも構わない。無理な残業はしなくていいから早く帰るように。」



さっきまでとは雰囲気がガラリと替わった副社長に皆にも笑みが見える。