「俺、営業の………。」


「話し掛けるな。俺ら、急いでるから。」


「こんな機会はないだろ。」


「時間に厳しいんだよ、秘書課は。松井さん、無視して。」


「なんだよ、俺らも話し掛けていいだろ?」


「今はダメだ。ご飯を食べて時間があればな。」



高城さんが食べながら同期と話している。その光景を羨ましく思った。


私は途中で会社を異動になったから、同期とかはこの会社にいない。



「松井さんっていくつ?俺らは26だけど。」


「26?」


「松井さん、無視して。」


「松井さんは?」


「26」



高城さんと同じ歳だった。高城さんの目と目が合う。



「同じ?」


「みたいです。」



笑みが溢れた。きっちりしてて、年上のイメージだったから。



「松井さん、年上かと?」


「私も高城さんは年上かと。」



クスクスと笑いあった。お互いに年上だと思っていたみたいだ。