俺様副社長の溺愛秘書

「過去の話だ。」


「ふ~ん、そうかよ。」



尚輝がニヤリとしながら悠木さんを攻撃している。賢人は知らない振りだ。



「聡、まだ未練とかあるのか?」


「チッ、あり得ない。俺は女に本気にならない。」


「ふ~ん。」


「尚輝兄弟と俺は同類だろ。」


「俺は違うし。俺は朱里に本気だ。」



さらっと凄い事を言ってる自覚はあるのだろうか?


隣の尚輝をチラリと見た。悠木さんとのやり取りに夢中のようだ。



「本気、本気って。尚輝も相当遊んでた癖に。」


「それは過去だ。」


「俺も過去だ。2度と話題にするな。」



悠木さんが本気で怒っている。


私は真央達と悠木さんの間に何かがあった事は理解した。


チラリと真央を見れば、いつもは元気な真央が沈んでいる感じがした。



「尚輝。」



尚輝と目と目が合う。一瞬だけ視線を真央に向ければ、尚輝も気づいたようだ。



「聡、買い出しに行くぞ。」


あんなに不機嫌な様子の悠木さんに声を掛けれる尚輝も凄い。


話題を変える尚輝に皆も頷き立ち上がり始めた。