俺様副社長の溺愛秘書

「遅い、賢人。」


「賢人さん、部屋で変な事するなよ。」


「賢人、相変わらずだな。」



真央カップルの行動を知る男達が文句を漏らしている。


気にする様子のない賢人が真央の肩を抱き寄せて座る。



「買い出しに行くぞ。」


「ちょっと休憩………。」


「賢人、忠告しておくが、ベランダで陽輝と繋がってるからな。」



悠木さんの声が賢人の声に被せられた。煙草を取り出そうとしていた賢人が戻している。


悠木さんの視線が真央に向けられている。


異様な雰囲気を醸し出している悠木さんを見つめていれば、尚輝が私の耳元で囁いた。



「聡の片想いだ。」


「えっ?」



驚きに尚輝を見上げる。目と目が合った尚輝がニヤリとしている。



「聡の片想いだ。」


「尚輝。」



悠木さんの低い声に冗談ではないと分かる。


チラリと真央を見れば、困った顔を向けていた。



「…………。」



思いもよらない展開に言葉も出なかった。