俺様副社長の溺愛秘書

「私は分かるよ、朱里の気持ち。」



真央が口を開いた。



「告白されれば、断るのは悪いって思ったり、いつも一緒にいた人なら尚更付き合ってみようって思う。」



「尚輝もそれで朱里と付き合えたんだし。好きって気持ちは徐々に芽生えるモノかもよ。」



真央と悠木さんの言葉に黙ったままの尚輝をチラリと見つめる。


尚輝の視線が私に向けられているのが分かった。



「それでも………俺だけを好きでいて欲しい。俺だけを愛してたって言って欲しい。」


「兄貴、欲張り。兄貴も女は他にもいただろ。」


「俺は朱里しか愛してた事はない。」


「言うね、兄貴も。」



陽輝の視線を感じて、助手席に座る陽輝を見た。笑みを浮かべる陽輝を見つめる。



「朱里さん、兄貴を頼むよ。見捨てないで?」


「見捨てる?」


「遊んでたのは事実。一途って………気持ちの話だから。」


「うん、分かってるつもり。でも私は一途じゃ………。」


「一途じゃない?それが?今、兄貴を愛してるなら一途に愛してくれてるって事でしょ?」