「朱里、一年でいいか?」


「何が?」



車内で交わされる二人の言葉。



「結婚するぞ。」


「…………わかった。」



俺様な彼氏に折れるのはいつも朱里だ。それも悪くないと思っている。



「一年も待てるか?」


「…………十年も待ったでしょ?」


「十年か。俺が女を追い掛けるとはな。」


「本当、昔の尚輝では信じられないね。」


「…………。」



高校時代の尚輝を思い浮かべる。チャラチャラした高校生だった。


クスリと笑ってしまった。



「若かったね、尚輝も。」


「………俺は朱里だけを想ってきた。たった一人の忘れられない女だった。」


「忘れられない男(ひと)だったのは同じ。」


「俺ら、ずっと両想いだったんだな。」



嬉そうな尚輝の横顔を見つめる。誰もが惚れそうなイケメンだ。



「ずっと一緒にいたい。」


「ああ、いる。」




二人で


ずっと一緒に