「はい!ちょっと休憩したい!」



明るい真央の声が車内に突然響いた。



「ちょっと休憩したい!悠木さん、ダメですか?」


「あっ、そうだね。ちょっと休憩しよ。」


「悠木さん、ありがとうございます。朱里、トイレに行こう?」


「うっ、うん。」



眺めていた窓から真央に視線を向けた。にっこりと笑う真央につられて笑みを向けた。


真央の隣では賢人が幸せそうに真央の横顔を見つめている。


やっぱり二人は本物だ。



「真央が羨ましい。」


「へっ?」


「賢人さんに愛されてる。」


「へっ?へへっ、そう?」


「うん。」



真央の嬉しそうな瞳が賢人を見上げる。それを嬉しそうに見つめる賢人。


真央を羨ましいと思った。


そこまで愛し愛されるって事が私に訪れるだろうか?


尚輝を愛してはいる。


ずっと忘れられなかった人だった。それでも別の人を好きになって付き合ったりもした。


一途の愛って?


幸せそうな二人を見つめながら、一途の愛って何だろうと考えていた。