闇の中、わたしは「何か」を掴みたくて手を伸ばす。 固い腕に触れた時、その感触を確かめるように指先をなぞらせた。 掌を探しあてようとその腕にさ迷いながら、わたしは深く深く沈んで行く。 切なさと不安が足元から絡みつく。 このまま、暗闇の底に辿りつくことが出来るのだろうか…? ぼんやりとそんなことを考えながら、短い溜め息をついた。 その時、不意に腕をつかまれ、引き上げられる。 重なったのは、唇一? わたしは唇を閉じて、あなたを避けた。 ・