「菜珠ちゃんっ!お昼ごはん食べよー」
いつものように菜珠ちゃんに声をかけ、一緒に移動する。行く場所は、屋上。
屋上はとても気持ちいいし、食べる時にもってこいの場所。雨の日以外はね。

私は北見あかり(きたみ あかり)。優柔不断で、いつもネガティブに物事を考えちゃう。そんな私のことをいつも引っ張ってくれるのは…親友、鈴並菜珠(すずなみ なみ)ちゃん。とっても頼りがいがあって、ついつい頼りすぎちゃう時もあるくらい…。菜珠ちゃんの隣はとても居心地がいいんだ。そんな菜珠ちゃんにはとても大切な人がいて…。そう、菜珠ちゃんには彼氏がいるんだ。幼なじみの永野凌駕(ながのりょうが)くんなんだって。学校は違うから、まだあったことはないけど、よくのろけを聞いたりする。聞く限りでは、すごくいい人だと思ってる。いつかあってみたいな。


…て、そんな話してるけど、私の隣は空いたままなわけで…別に、カレシがほしいわけじゃない。募集もしてない。
…けど……。



「おおいっ!あーかーりー!こっちこっち!」
あっ!
すっかりぼーっとしちゃってたよ!
あはは…。
ちゃんとしなくちゃね!
もう高校生なんだから。

「ごめんねー!菜珠ちゃん、行こっ」
「うん」

私も早く恋する乙女になりたいな?
とか思っちゃったりするのかなぁ?
いつか…。