「私の言ってることが嘘だと思うなら試してみる?」
「え?!何を?」
「私が未来を変身させてあげる」
「私には無理だよ」
こんな私が凛ちゃんのように変われるはずなんてない。
凛ちゃんが可愛いって思えるような女になれる筈がない。
それなのに……からかわれているのだろうか。
これなら、1人で居たほうが良かったな。
「もし、気が向いたら言って。それに私は外見で友達作ったりしないよ。未来、入学式の日、木を見上げてなかった?」
「えっ?!」
凛ちゃんの横を歩いていた私は、いつの間にか足を止めていた。
そんな私の腕を掴み、引っ張る凛ちゃん。
「まだ枝しかない木をずーっと見上げてたでしょ?その姿を見て、この子と話したいなって思ったの」
「あの木はまだ枝しかないけど、後一ヶ月もすれば綺麗な花を咲かせる」
「何の木?」
「桜」


