それは5月の末の、私の20歳の誕生日。 桜の花が満開に咲き誇り、散っていく量のほうが多くなっていたあの日…… 君とすれ違った瞬間、私の全身が君を感じた。 所謂、一目惚れ。 舞散る桜の中、笑う君の姿があまりにも綺麗で、私はその場に立ち尽くす。 憧れていた“恋”が私に舞い降りた瞬間だった。 桜と共に舞い降りた私の恋。 誕生日に出会ってしまったことが、私に“運命”なんてものを感じさせ、弱気な私に力をくれた。