儚いあなたと

次に病院に行ったのは金曜日だった。

おばあちゃんの病室に丸山がいないことを確認してから中に入った。

「足の具合はどう?おばあちゃん。」

雑誌を読んでいたおばあちゃんがパッと顔を上げる。

「それがまだ長く入院かかりそうなんだって。」

やれやれ、というようにおばあちゃんが言う。

「ありゃ〜。
じゃあまだしばらくあの丸山さんに看病してもらわなきゃいけないんだねえ。」

かわいそうに、と笑いながら返した。

「美樹ちゃんにちょっと感じ悪かったかねえ。
あの子そうとう杉本先生に惚れ込んでるみたいだから。」

ふふふとおばあちゃんが笑う。

うすうす気付いていたがやっぱりそうだったのか。

胸がちくんと痛い。