儚いあなたと

それからおばあちゃんの病室で3人で少し話をして

杉本先生は、僕は次の病室に行きます、またお見舞い来てくださいね、と告げ403号室を出て行った。

その後ろ姿を見送るともう少し一緒にいたかったな、という気持ちになる。

「杉本先生、いい人だよねえ。」

病室のドアを見つめる私におばあちゃんはそう言った。

私は頷きながらおばあちゃんの方を向き直す。

この日は1日なんだかふわふわ、ムズムズした感じがしていた。