儚いあなたと

白衣の裾をひらひらさせながら歩く先生の横顔を見ながら4階の病室まで歩く。

緊張で何を話したらいいのか分からない。

気まずい沈黙の中、先生と私の足音が響く。

前を見ていた先生の目がちらりと私を見る。

目が合い、先生は照れたように笑ってまた前を向き直した。

「木村さんのお孫さんは、今高校生ですか?」

「そうです。高3の17です。」

「若い!僕は今24だから7歳も差がありますね」

先生の笑顔は可愛い。

くしゃっとなった目尻にしわができる。