儚いあなたと

翌日の金曜日の放課後。

私はお母さんに頼まれたおばあちゃんの着替えを持って病院に寄らなければならなくなった。

気が進まないが大好きなおばあちゃんのためだ。

おそるおそる403号室の中を見渡す。

よし。

杉本先生の姿はない。

すると後ろから突然女の人の低くて太い声が響く。

「ま〜〜た、杉本先生探しに来たんですか?」

振り返らなくても分かる。

丸山だ。

「ち、違いますよ…。」

丸山は杉本先生の連絡先くらい持っているのだろう。

羨ましくてもやもやした。