儚いあなたと

それからというもの、私は家でも学校でもいまいち元気がなかった。

「なんか最近元気ないねえ。」

アキが私の顔を覗き込む。

「ちょっといろいろあって、ね。」

机に頬杖をついたままぼーっと返す。

「俺でよければ相談に乗るよ。」

アキの茶色くてサラサラな髪の間でくりっとした二重の目が私を心配そうに見つめている。

「久しぶりに恋したのに終わっちゃった。」

「えっ…。美樹好きな人いたんだ。」

アキが分かりやすく驚く。

「うん。ふられちゃったけどね。」

はははと元気なく笑う私の側をアキはなかなか離れようとしなかった。