海side








「来たわね~!」






朝、陸から連絡が入った。

別にビックリなんかしてない。
そろそろかなーって思ってたから。


だから空起こして、太陽と大翔も居たけど
空と太陽と三人で陸の家へ。

そして玄関に入れば、この元気な第一声がお出迎え。







太陽「いきなり過ぎんだよいっつも!」



「その方が楽しいでしょ?」







目の前で、綺麗な浴衣を着て髪も綺麗にセットして
太陽と言い合うのは、

陸の母親の美紀さん。

私たちは『美紀ちゃん』と呼んでいる。
てかそう呼んで!って強いられたんだけどね






美紀「ほら、始まってるから着替えて!陸と狼は部屋にいるから!」






この毎年恒例の『清水旅館のお手伝い』は、小学校高学年から始まったお決まり行事。

夏休みは観光客で忙しいから毎年手伝わされていて、それと同じにお泊まり会も始まる。

初めの二、三日は陸の部屋に泊まる。

それも恒例になっていた。







太陽「なに、もう来てたの」



狼「あぁ」






陸の部屋へと進めば、中には浴衣に着替えた陸と狼がいた。


狼の浴衣姿...

久々に見たな、
前よりもっと男らしくなってる







陸「早く着替えろー」







そう言って手渡される浴衣。

空は青色。私は水色。太陽と紺色。狼は黒。
陸も紺ぽいけど太陽とはまた違う感じ。







陸「狼久々にだな」



太陽「さぼんじゃねぇぞ?」



狼「うるせぇな」








始まる。

『清水旅館のお手伝い&お泊まり会』!