幼少期の俺は体が弱く、虚弱体質だった。

冬になると毎年マイコプラズマ肺炎になり、何日も寝込んだ。

夏になれば暑さの為、目眩を起こし、すぐに倒れたりした。

そういう状態になると決まって顔が皺がれて、爺さんの様な顔になってしまう。

それを周りの奴らは気味悪がったし、面白がった。

小学校時代の俺は、この特異体質のお陰で独り孤独を味わっていたし、またイジメの対象にもなった。

中学生になると孤独もイジメも激しくなっていき。

中学三年にもなると、イジメのレベルではなくなっていた。
もはや『傷害』である。

俺が孤独と傷害に耐えながら中学の三年生を過ごしていた頃、同じ学年の同じクラスに、俺と同じ様に孤独と傷害に耐えていた女の子がいた。

名前は青柳美幸(あおやぎみゆき)。
美幸と言う名前とは逆に不幸な毎日を送っていた。

彼女は小柄でストレートな艶のある髪をし、顔も可愛らしい子だった。

何故に彼女はイジメの対象になったのだろう?

それは親が熱心な宗教家で、同級生の家に布教活動をして回っていたからである。

「お前の母親がまたウチに宗教勧誘に来たぞ!迷惑なんだよテメーはっ」

そんな言葉が良く教室に響いた。