あんたとの出会いも、やっぱり寒さが身にしみる時期だった。



私の住む町は北国だから、冬になると町全体が白一色に染め上げられる。



ただ見ているだけなら綺麗に見えるかもしれないけど……



ホワイトイルミネーションなどと騒がれて……



そこに住む人間としては綺麗なんかというより、まず寒い。



毎年のことなんだけど、慣れることはない寒さが体中に突き刺さる。



この寒い夜にパーカー1枚で空を見上げてるあんたを見つけたのが最初の出会いだった。



きっとガタガタと震えていたと思う。



唇なんかも真っ青になっていたはず―――



それなのに、私の記憶の中のあんたはそんな素振りはしていない。



ただ、空を見上げる姿がそこに存在していないもののように見えた。



なんだかとても綺麗に見えたんだ。



真っ白な背景に儚く消えてしまいそうなあんたがとても綺麗だった。