「…………おはよ、仁」
低血圧の私は朝はすこぶる機嫌が悪い。
ニコニコと微笑んでいるこいつを蹴っ飛ばしてやろうかと思ったが。
ジャラジャラ
「………………」
手首に違和感。
そっと見遣ると冷たい輪っかの片方が自分の手首に、もう片方がこいつの手首に繋がっていた。
「……………はぁ」
またかと思いつつ、もうこれは日常だと諦め、目の前にある美しい顔を眺めた。
空と全く瓜二つの顔。
違いといえば髪の色と瞳の色、それから喋り方だけ。
空は黒髪だけどこいつは真っ白だし、目には赤のカラコンをしている。
肌も白いから一見して兎みたい。
「なな、良く眠れた?」
「………さぁ?」
こいつは空の双子の兄、二階堂仁。
IQ300という驚異の数値を誇る人類史上最強の天才で、15歳という若さでロシアンマフィアのボスに上り詰めた。
空とは違い、昔から子供らしからない子供で異様に大人っぽかったのを覚えている。


