私の世界はあの日突然終わりを告げた。


朝、目が覚めていつも通りベッドから起き上がろうとした。
起きてから顔を洗って歯を磨いて、お母さんに早くと急かされながら朝食をとる。なんにも変わらない日常。

何も変わらないはずだった日常。

初夏に差し掛かる季節。毛布の代わりに掛けていたタオルケットを剥ぎベッドサイドに腰をかけて立ち上がる。

__ガクッ

正座なんかをして足が痺れて足の感覚が無くなり立ち上がれなかった時の衝動に似た感覚。そのまま、私はどたっと前屈みに倒れてしまった。二階の私の部屋の真下はリビング。きっと朝食の準備をしているお母さんが何をしてるの!なんて怒りに駆け上がってくる。
寝てて捻ったかな、なんてぼんやり考えながら再度立ち上がる。ガタンっ、と今度は座卓に額を衝突させてしまった。

「い、ったー…」

流石の私もへこたれて呟く。痺れたのかつってしまったのか分からないけれど動かない足を擦るように手を伸ばす。
そして、私は…初夏の暑苦しい中で冷や汗が吹き出すのを感じながら乾いた悲鳴をあげた。

「…いっ、いやっ!」