「人生が五回あるなら、一回は愛していたかもね」

二つ年上の男性。頭も良くて、性格も良い。おまけに容姿まで私好み。

ただ一つ欠点なのは私たちが兄妹であること。

社会的に認められないこの想いは一生枷にして生きていかなければならない。そんな人生なら、初めからアナタ(兄)と出会わなければ良かった。

「俺はどんな人生でもお前を愛していたと思うぞ」

例えこれが五回内の一回でも。と続く兄の言葉に素直に頷けないこのセカイで叶う事のない願いに何度でも縋り付く。