「好きだよ」

縮まることの無い距離を必死に保ちたくて、隠していたはずの想いを口にする。口にすれば楽になると思っていたのに息苦しいのは、目の前にいる彼女が今にも泣き出しそうだからだろうか。

まあ、そうか。彼女が好意を寄せる相手はオレじゃなくアイツなのだから。

「なんて、冗談だし。本気にした?」

いつものように嘲笑ったように言えば、瞳が揺れ、馬鹿じゃないの。といつもの暴言が返ってくる。

ねえ、キミの答えは求めないから
まだキミを好きでも、いいかい?