「もしもさ、」 カレは会話の初めには決まってこう言う。 「もしも、俺がシワだらけになっても、一緒に居てくれる?」 初めて見たタキシード姿のカレは今まで見た中で一番と言っていいほどかっこいい。だから不安になっていた。こんな私で良いのかと。 「居るよ、……ずっと、」 堪えきれなかった涙が頬を伝う。 「では、誓いのキスを」 互いの唇が重なる時、小さな教会に祝福の鐘が鳴り響いた。