風の中でピンクの雪が彼の頭に舞い降りる。
「のってるよ」と教えてあげれば大きな手が一つの小さな花びらを探る。
「ん。とって」
取りやすいようにしゃがむ彼との距離は数センチ。背伸びをして手を伸ばせば、唇が重なる。
「ちょっ!?」
怒ったように睨めば勝ち誇ったような笑顔で「隙を見せるお前が悪い」と言う。
悪戯顔の貴方には反省の色はないのに腹が立つよりも先に顔が赤く染まっていくのが分かる。
ふわり。桜の舞う中で微笑む貴方は……─
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