授業終了まで十分前。集中力の低下が見られるこの時間は外を眺める。

お。美女が片付けしてる。体育だったのか。

学校の中で注目の的である彼女に思いを寄せて居るものの、ライバルはかなり多い。そんな簡単に諦めねーけど。

オレの友人は冷たくて嫌いだと言っていたけれど。そうは思わない。

草むらから顔を出した子猫に向かって天使のような微笑みの彼女が冷たい訳がない。きっと子猫に「にゃー」とか可愛い返事をしているんだ!そうに違いない!!

「はーい。まだ授業五分残ってるからね。座ろうか、男子」

好きな人を眺める。そんな日常。