隣に座る君は真っ直ぐ前を見つめる。いつからだっただろうか。気づけば瞳が君を追いかける。

「あっという間で。なんか寂しいなぁ」

風に揺れる髪が綺麗で、心拍が上昇する。気づかないようにしていた。この想いは彼氏のいる君には届きやしないから。

「何言ってるの。大学でも俺と同じじゃん」
「ふふ。そうだね」

でも。と続ける君は彼氏のことを考えているのかニヤついてて。いっそのことずっとそのままでいて欲しい。

隙ができた君を連れ去ってしまわないように。そのままの君でいて。