肋骨が折れて捻挫までしている茜にとって入浴することはかなり難しい




まして素人にはどのような体勢だと怪我した部分に負荷がかからないかはわからない




司はシャワー室に椅子とクッションを用意して茜を抱き上げそこに座らせた




「なんか、、、ごめん。医者なのにメイドみたいなことさせて」




「全然。俺、母親の髪よく洗ってたから慣れてるんだ。なんか懐かしい。」




「司のお母さんて亡くなった人?」




茜は司を呼ぶ前に一通りのことを調べさせたため母のことも知っている




「そう。もういないんだなって今も実感がないからふと考えるんだ。今ごろ何してるかとか。買い物にいくとハンドクリームまだあるかなとか。」




「、、、寂しい?」




「、、、まぁ、、、寂しくないっていったら嘘になる。でもほっとしてる。できることはしたつもりだし、母さんも辛い闘病生活から解放されたし、、、。いつもドキドキしてたんだ。いついなくなるのか、、、不安だった。」




「、、、そっか。」