「この窓を破れたら、自由になれるかなって考えたときあなたの声が聞こえたの。生きていてさえいたら力になってくれるっていう、声が。」




茜はまっすぐに司を見て手を出した




「中途半端な同情とかお金が目的の薄っぺらい約束ならこの手の変わりにキッチンテーブルの上の小切手を握って出ていって。二度と会うことはないって約束するし、働かなくても贅沢して暮らせる額を用意してあるわ。」




司は茜から目をそらさない




「バカみたいに、、、あの約束を守ってくれるなら、、、」




茜が言葉につまったとき




司は茜の両手を自分の両手で包み込んだ




茜をまっすぐに見つめて





「言っただろ。約束を果たしに来たんだ。信じろとは言わない。まだ会ったばかりで俺のこと知らないだろ。なのに信じるなんて無理だ。」




「ため口」




「悪いけど俺は金に困って生きてきたけど、金に魅力はこれっぽっちも感じない。むしろ腹一杯食べて、あったかいとこで眠れたらそれで充分。だから財閥の令嬢が偉いとも思わない。俺の方が2歳年上だし。」