司の横をするりと抜けてリビングのソファに座った茜は




「ねぇ」




と司を呼んだ




きれいな顔からは想像がつかない、、、乱暴な態度に司はまたうろたえた




「キッチンテーブルの上」




「、、、がなにか?」




「救急箱」




「、、、あっはい。」




司は救急箱を持ってソファに座る茜の前にしゃがんだ




傷のある左手を自分の膝にのせ傷口に消毒を塗る




一瞬茜が顔をこわばらせたのを司は見逃さなかった




「痛みますか?すぐ終わりますから。」



「別に」