司には理事長の想いが分かるような気がした。



愛する人の命を奪った血のつながらない娘。


でも理事長だって自分の息子を亡くしたばかりで心の傷なんて癒えてはいなかった。



そんなときに授かった命を、消すことなどできなかったのは理事長も同じ気持ちだったはずだ。



そして茜を守り大切にしたいと思った茜の母と同じように、カギをかけ続けて茜を閉じ込めていたのは、父なりの守り方だったのではないだろうか・・・