青空の下で

私はずっと岬君を見続けていた。



最後のインターハイ予選も観戦しに行った。



大きな声で応援は出来なかったけれど、岬君の輝く姿を目に焼き付けた。



汗が太陽に照らされて光りながら、地面へと落ちていく。



そこに一粒の涙が混ざっていたことも私は知っている。



「お疲れ様」そう心の中で岬君に語りかけたんだ。



岬君がサッカーを続けられる事は喜ばなきゃいけないことだって、わかってる。



さっちゃんだって、春樹君だって、それぞれが別々の未来へと進んでいく。



それは当たり前のこと。



でも、もう2度と会うことはなくなるかもしれない。



楽しかった日々がすべて嘘だったかのように消えてしまうかもしれないんだ。



みんなはそれで平気なの?



どうしてそんな風に笑っていられるの?



ドロドロとした汚い感情が再び私を支配していく。



私はこの日から、学校に行く事をやめた。



進学クラスは受験勉強のため、登校しなくてもいいことになっている。



私は勉強していたわけじゃないけど、学校には行くのをやめ一日中部屋の中にこもっていた。