青空の下で

噂で聞いた話によると……



岬君は札幌の大学に行くことが決まっていた。



サッカーのスポーツ推薦で入学が決まったため、受験がない。



私は村を出れればそれでいい。



そんな安易な考えから、この高校の近くの短大を受験する。



お金はもちろん出してなんかもらえないだろう。



だから、奨学金制度を狙っている。



毎日が勉強付けの日々だった。



そのせいか、岬君の進路先を聞いて私は一気に体の力が抜けてしまった。



勉強になんて身が入るわけもなく、岬君が遠くにいってしまう悲しみに途方にくれていた。



さっちゃんも春樹君も札幌に進学。



私だけ……



私だけが取り残されていくんだ。



やりきれない悲しみを村の静けさがより一層増徴させる。



もう嫌だ。